まちカフェ ~Link~ コンセプト

★このページはまちカフェ・りんくの旧サイトの内容です。現在のまちカフェはこちら

3つの基本コンセプト

  • 「地域商店街の活性化(まちづくり)への貢献」⇒交流空間づくり
  • 「失われつつあるコミュニティの再形成に貢献」⇒地域ネットワークづくり
  • 「学生たちの起業家精神の育成」⇒人づくり

コンセプトが生まれた背景

「中心市街地」は、商工業・居住・文化・行政等の機能が集積しており、市民の就業の場としてだけではなく生活の空間として、そして住民と住民、住民と商人、商人と商人といった人と人との「交流の場」として機能し、「街の顔」として賑いを見せてきた。日常から生み出されるその自然発生的な「交流」から、「地域コミュニティ」は自ずと形成されてきた。こうして形成されたコミュニティを核として、経済活動のみならず文化活動等が行われることで、地域社会の魅力、すなわち人を惹きつける中心市街地の魅力というものが醸造されてきた。しかし、やがて経済発展に伴う産業構造の変化、モータリゼーションの進展、交通体系の変遷、ライフスタイルの成熟化等、様々な要因が複雑に絡み合って、周辺地域の開発など経済社会環境と競争環境に影響を及ぼし、中心市街地の利用者は急激に低下し地域商店街は苦境の時代へと突入する。利用者ばかりでなく、地域で生まれ育った子供たちまでもが「地元」から離れ、やがて若者が中心市街地から消えていった。老若男女が創り上げてきたコミュニティはその機能を失い、商店街からは少ずつ買い物客が消えていった。

何よりも懸念すべきは、地域の魅力を語り継ぐ存在とその継承者が確実に減少しつつある中で、継承者となりえる可能性を持つ数少ない若者が地域に対する関心を持たなくなり、若者不在の街がさらにその街の魅力・活気を失わせていっているという悪循環である。新発田市においては、この30年間に旧城下町から3分の1の住民が減少し、それに伴い商業活動も停滞・空洞化が進んでいるほか、住民の高齢化が著しく進展している。この現実に地域の若者がどれほどの危機感を持っているのだろうか。

敬和学園大学の学生を例にとれば、新発田市の商店街に積極的に足を運ぶ機会そのものが少なく、結果学生の商店街衰退に対する現状認識や問題意識は、ほとんどなかったと言っていいだろう。これが現実であるが、無理もない。地域の魅力が失われていけば、おのずとその地域から足が遠のいていく。このこと自体、誰にも止めることはできない。人を集めるには、それだけ魅力的な地域にしていかなくてはならないことは自明の理である。

地域社会の問題は地域社会全体で取り組む動きがあって、初めて改善、解決さらには発展の方向へと向かうものと私は認識している。そのためには、まず地域の人々が共通の問題意識を持つところから出発する必要がある。どの方向へ向かうべきなのか、共通の目標を掲げる必要があろう。地域社会の一員である大学が地域に貢献できることがあるとすれば、共通の問題意識と目標を持ったうえで地域ニーズに対して大学の持つリソースを提供していくことにあろう。商店街の活性化に大学が提供できるリソースとは何だろうか。それは、若者のエネルギーを商店街に注ぎ込むことであり、商店街の衰退問題を認識し、共有し、共に活性化に向けて活動することであろう。その際に、商店街が求めるニーズと学生の学習の場とを結びつける仕組みづくりが重要となる。

「まちカフェ」はこのような背景から生まれたプロジェクトである。「まちカフェ」は、学生が経営する「カフェ」で、その経営活動が「まちづくり」に貢献することを目的としている。商店街という現場に学生が「飛び込み」「身を置き」「経営」することで、学生は初めて商店街の苦しい現状を認識する。そこから絞り出されるアイデアや知見を学生自ら行う経営の中で実戦していく。その過程において、学生は地域のニーズや隠れた魅力、潜在的な可能性に気づいていくことになるだろう。また、イベントや情報交換などを通じて地域商店街の方々との連携や交流も生まれてくることだろう。

学生には、グローバル化によって今世界ではどのような環境の変化が起こり、その変化が地域経済や地域で生活する人々に具体的にどのような影響を与えているのか、その変化に地域行政や企業、住民はどのように対応していけばよいのか、そこに関わる利害関係者の意識を肌感覚で感じてもらうことで、企業、地域、社会を取り巻く環境の変化と課題について理解を深めてもらいたい。商店街の活性化という地域ニーズに、学生の「学び」の成果が結びついていく、その意味は深いものと考える。地域商店街にとっては、減少しつつある若者が商店街に飛び込んで実際に活動することの意義は大きいし、何よりも彼らが商店街の現状を認識さらには理解し、地域経済の活性化と起業について学習することは地域における「人づくり」という点においても大きな意味を持つことになろう。

商店街の空き店舗を有効利用した学生が経営するまちカフェを通じて、そこに参加する学生が商店街に対する理解を深めるばかりでなく、実際の地域経営を商店街の人々とともに行うことで、地域住民や商店街関係者らとの絆と信頼関係を築き上げ、結果コミュニティの再形成に繋がることを願いたい。その繋がりから有形無形に持続的な「まち」の発展に結びつく循環を生みだしてほしい。また、この企画に参加いただいた学生たちには、実際の起業を経験し、店舗をマネジメントしていく経験を通じて、起業家精神を養うとともに実践的な知識と教養を身につけ、将来的には地域経済の担い手なれるよう成長していってほしい。基本コンセプトにはそんな想いが込められている。

敬和学園大学 専任講師 吉田健太郎


参加学生の声

1.私たちの通う大学が立地する地域で起きている新発田市商店街の衰退という身近な問題に気づいていない、あるいは気づいていても問題意識としてもっていない学生が少ない現状にあります。私たち「まちカフェプロジェクト」に関わるスタッフは、そのこと自体に危機感を感じています。私たち大学生が地域社会の日常に飛び込み現状を見つめることで、またその中でカフェを実際に経営することにより、身をもって新発田市商店街の衰退ということを意識することはとても重要なことだと思います。地域社会の発展に貢献していくこと、また、商店街を活性化させるための方法を実践的かつ体系的に学習する最適の場所でもあります。

2.Linkという名前がついているとおり私たちは「繋がり」を大切にしていきたいと考えています。その繋がりの中で、新発田の中心市街地から大学へ、大学から中心市街地へと様々な情報のやり取りが行われることを期待しています。また将来的には普段交流のない地域外、県外から来る学生と商店街の皆さんとの交流を深める数少ない貴重な場所としての場となることも期待しています。

敬和学園大学 人文学部3年 刈田佑二